ブラジル(珈琲)
8月も後半。あと1週間で9月ですね。
皆さま、どんな夏休み
を過ごされましたか
ブログ・Facebookなどでご紹介したとおり、
自分は長年の夢だった珈琲大国「ブラジル」に10日間行ってきました
いきなり結論になりますが、本当に最高の旅行でした
。
人生観が変わるぐらいに貴重な体験となった時間でした。
写真をたくさん使いながら、自分が感じたことをつらつらと書きますので、
週末のゆったり時間に楽しんでくださいね
。
1回ではまとめきれないので、以下のテーマで4回に分けてお伝えします
。
珈琲
食事
子供たち
その他
今週は「珈琲」をテーマに。
まずは最大の目的だった珈琲農園。
ヴィトリアという街から車で4時間ほど北へ向かった場所。
標高1,500m以上の山肌にに広大で美しい珈琲農園が広がる
。
ちょうど収穫を終えたばかりで緑一色。
近づいてみると白い花や赤い実がちらほらと。
その赤い実をはいでみると出てくるのが珈琲豆
。
それが以下の写真。白いのが珈琲豆。
この豆(正確には種)を取り出し、乾燥させて、さらに焙煎して、
それを挽いて、お湯でエキスを抽出して飲むという手の込んだ方法を
よくぞ昔の人は思いついた
とブラジルの地で感動
。
その珈琲農園からすぐ近くに、ドライブスルー
的なカフェ。
決してきれいじゃないけれど、長距離を運転してきたドライバーがひとやすみ
。
入ってくるなりポットに入っている珈琲をカップについでゴクリ。
ゴクリとしながら、好みのパンや惣菜を注文して腹ごなし
。
ブラジルの珈琲は日本ではお茶にあたる飲み物とこのとき実感
。
無料で珈琲を提供しているカフェが多い。
驚くのはそのカフェにデフォルト大量の砂糖が入っていること
。
最初に飲んだときは「甘っ
」と思わず叫び、あまりおいしくないと思ったのが正直な感想。
ところが、数日いると徐々にそれに慣れてくる
。
小さなカップに甘い珈琲を少し注ぎ、それを一口で飲み干す。
これが何とも気持ちよくなり、おいしくなる
。
郷に入らば郷に従え。
リオデジャネイロの市内のカフェ
。
こちらは有料。お値段は3.5レアル(約140円)。
無料のカフェはポットに入っていてセルフサービス、
有料はカップに珈琲を淹れて提供。
重要なポイントは有料は砂糖が入っていないことと、
無料は基本立ち飲みであること
。
2つのスタイルがありますが、ブラジルという国でのカフェの楽しみ方は、
前者の無料スタイルが主流であり、それが一般的であることを理解したのが大きな収穫
。
2つのスタイルで感じたのは店員とお客さまの距離感。
無料カフェはとにかく距離が近い
。
たまじ珈琲でも将来アンテナショップを持つ計画ですが、
その時のスタイルは無料カフェできないかと試行錯誤中
。
お客さまが気軽にお店に立ち寄れて、何気ない会話をしながらポットから珈琲をゴクリ。
もちろん立ち飲み
。気に入った味の珈琲を買って家で楽しんでもらう。
今回の体験で感じたことを忘れずに、将来の計画にいかせればと
。
ブラジルの珈琲事情、伝わりましたか
たまじ珈琲のアンテナショップへのご意見
などもお待ちしておりま~す。
今週のブログはこのあたりで。
ではでは
。
夏休み
本日8月18日(土)はブラジルにおります
。
来週からのブログ
で、その様子をたっぷりとお伝えしますので、
今週はブログも夏休みとさせていただきます
。
皆様、良い夏休み
をお過ごしください。
ではでは
。
ブレンド
先週日曜日。思い出深い街、長野県の諏訪に
。
諏訪は高校のバスケットボール部
の合宿地。
約30年前の出来事を思い出しながら、妙にしんみり
。
昨日食べたご飯は思い出せなかったりするのに、30年前はくっきりと覚えてるもんですね。
その帰り道に寄ったのが珈琲焙煎機メーカーの井上製作所さん。
場所は中央高速の諏訪南インターから車ですぐ。まさに高速の横
。
訪れたのはお昼過ぎで、そこから濃い珈琲談義を3時間。
なんとも充実した楽しい時間でした
。
【井上製作所】
http://www.inoue-seisakujo.jp/
感想を言えば「珈琲は奥深い」「自家焙煎にしか作り出せない味がある」。
死ぬまで勉強ですね
。
井上製作所さんの焙煎機・ミルで試焙煎・挽をしてもらう過程で、
なぜこの機能があるのか、どうしてこうしないといけないのかを論理的に説明いただく。
これまで概念的に理解していたものがスッと理解できた感じ。
井上さんからもらった印象的な言葉
。
珈琲は農作物だから一定ではない(常に変化)
ブレンドは本来同じ銘柄で作るもの
もう少し解説しますね
。
珈琲は同じ年の同銘柄、同品種、同産地、同等級であっても
農作物ゆえに一定ではない。
よって、味を一定に、それ以上においしくするには豆に合わせた焙煎が重要。
さらに、その際に有効な方法がブレンド。
同じ銘柄の豆を異なった焙煎度合にして、それらを混ぜ合わせることで、
より複雑な味わい・バリエーションを作り出せるから
。
これが井上さんの解説
。
ブレンドと言えば、複数の違った持ち味を持つ珈琲を混ぜることにより、
ストレートコーヒー単品だけではなし得ない味を、
作り出すための工程だと思い込んでいた自分としては
井上さんの言う同じ銘柄によるブレンドという発想には脱帽
。
脱帽すると同時に、今後の商品開発においてとても重要なヒントに
。
Wikipedia
でブレンドを調べてみると。


コーヒー豆はその消費目的に応じて数種類混合されることがある。
これをブレンドと呼ぶ。ブレンドされたコーヒーはブレンドコーヒーと呼ばれ、
これに対して一種類の焙煎豆のみからなるコーヒーをストレートコーヒーと呼ぶ。
ブレンドは焙煎前に豆を混合するプレミックスと焙煎後に混合するアフターミックスがある。
プレミックスは調和の取れた味になり大量生産にも向いている一方で、
個々の豆の焙煎の加減を調整しづらい。それに対してアフターミックスは豆の焙煎状態を
最良にしやすいが、別々に焙煎する分手間が掛かる。


という解説。
自家焙煎でいうブレンドはアフターミックスですね
。
今回、井上製作所さんの製品に出会い、井上さんの話しを聞くことで、
これまで自分の中で凝り固まってきた珈琲というものへの概念(知識)を
良い意味でぶっ壊して
、新しい・柔軟な発想
をすることでお客さまによりおいしく、
魅力的な珈琲を提供できるかと
。
井上さん、大事な休日にも関わらず3時間もお付き合い、ありがとうございました
。
試焙煎したブラジルサントスとナチュラルの2種類は2ヶ月程度かけて
ゆっくり飲むことで、焙煎機の実力を実際に感じたいと思います
。
今週のブログは、メッセージで〆させていただきますね。
4年以上書いてきて、初めてのパターン
。
ではでは
。
水と抽出温度
いよいよブラジル旅行が近づいてきました
。
「もういくつ寝ると
・・・」の歌ではありませんが、あと6回寝ると出発。
ブラジルに旅立つ前のブログ2週間は、原点に戻って「おいしい珈琲の条件」についてつらつらと。
今週は、「水」と「抽出温度」について。
一般的に「おいしい」珈琲を淹れる条件を思い浮かべると、
「豆の品質」「焙煎度合・焙りたて」「挽きたて」「淹れたて」など。
さらに「おいしい」と感じるための条件を追加すると
「雰囲気」「気温」「嗜好」「湿度」「体調」「気分」など。
複雑な要素が絡み合って人は珈琲を「おいしい」と感じるわけですね
。
「おいしい」珈琲を淹れる条件に話しを戻すと・・・
。
味を決定する重要な要素のひとつである「水」は忘れられてしまうことが多い。
その理由としては、日本は水道水の整備が進んでいて、軟水傾向の水が多いため。
つまり、普段何気なく使っている水がおいしい珈琲につながる環境にいるから
。
では、その水をどれぐらいの温度で利用すると、
珈琲豆に含まれるうまみ成分を抽出して、「おいしい」珈琲を淹れられるのか
。
このブログでも何度か紹介していますが、ペーパーフィルタで抽出する場合の
最適な温度は83℃ぐらい。今回はこれがなぜかをもう少し深く考えてみることに
。
一般的に、低い温度で抽出すると珈琲豆に含まれる美味しい成分を抽出するには、
時間を要します。 結果、焙煎された珈琲豆に含まれる苦味系の成分が押さえられることに。
逆に、高い温度で抽出すると短時間で珈琲豆が含むあらゆる成分の抽出が行われます。
結果、時間をかけ過ぎたりすると、不必要な雑味成分まで抽出され、苦味が強すぎたり、
キレがなくなったりするといわれています。つまり、おいしくなくなる
。
最近、喫茶店などで水出しアイス珈琲を良くみかけますが、
これは低い温度でゆっくりと珈琲豆の成分を抽出する代表例
。
水出しアイス珈琲の特徴は、まろやかで後味がスッキリするというのも頷けますよね
。
ちなみに、珈琲豆に含まれる成分とは以下のようなもの。
全多糖類(デンプン グリコーゲンなど) 24~39%
脂質 14.5~20%
たんぱく質 13~15%
腐食酸 16~17%
小多糖類 0~3.5%
全クロロゲン酸類(ポリフェノール、フェルラ酸、p-クマル酸、カフェ酸など) 1.2~1.3%
カフェイン 0~1.0%
トリゴネン 0.5~1.0%
脂肪族酸 1.0~1.5%
無機成分 3.5~4.5%
さまざまな成分の配合バランスでそれぞれの豆の特徴が作り出されているんです。
特に、クロロゲン酸は珈琲の褐色、香り、苦渋味に影響を与え、
カフェインは苦味を、酢酸・リンゴ酸・クエン酸、ギ酸などは酸味を、
ピラジン類など800種以上の化合物などが香りを。
まとめれば、抽出するときに使う水(お湯)の温度や使用する水の水質で
珈琲の味は大いに影響を受けるということに
。
ペーパーフィルターで淹れる場合は、
83℃ぐらいが珈琲豆のうまみ成分をちょうどいい感じで抽出してくれるから、
最適と言われているんでしょうね
。
「水」と「抽出温度」が珈琲の味に大きく影響してること、理解いただけましたか
自分はこのブログを書きながら、ふと、こんなことを思った
。
より低い温度(常温とか)の抽出により新たな珈琲の味・楽しみ方と出会えるのでは・・・。
ホットでもなくアイスでもなく。常温でやわらくて、まろやかな珈琲。
それ専用に豆を焙煎し、それ専用のミルで挽き、常温の水滴でとにかくゆっくり淹れる。
考えただけでおいしそう
。珈琲って奥が深いですね。
今週のブログはこのあたりで。
ではでは
。



