たま蔵(焙煎機)
最近のブログタイトルを読み返してみると、珈琲に関係しているものの、
珈琲そのものの話題を扱っている記事が少ないことに愕然。
これはいかんなぁ・・・と反省し、珈琲屋らしく久しぶりに焙煎についてつらつらと。
当店の焙煎機は国内で5台しかないレアもの。
数が少ないことが必ずしもいいことばかりではないと認識した上で、
5台しかないことを「売り」にしているのも事実であります。
惚れ込んで選び、購入したこともあって立派な名前をつけました。
ちなみに、たまこさんが命名者。その名は「たま蔵」。
たまじ、たまこ、たま蔵と並べてみると「たま」つながりで驚きもないかもしれませんが、
我々としては結構いいネーミングということで気に入ってる。
ホームページやFacebookで何度もご覧になっている方も多いかと思いますが、
たま蔵はこんな感じ。
「たま蔵」とメタルシルバーは不釣合いといった感想をいただいたこともありますが、
このずんぐりむっくりした体系が「たま蔵」にピッタリということで気に入っております。
さて、前置きが長くなりすぎました。本題の焙煎について・・・。
この焙煎機に惚れ込んだポイントは次の3つ。
100gから短時間での少量焙煎
窯温度、熱風などの温度を1℃単位でコンピュータ制御
焙煎機の上部で焙煎、下部で急冷
1つめは「注文いただいてから焙煎=商品化する生珈琲」が作れるということ。
2つめの1℃単位のコントロールは、お客さま好みの焙煎ができるということ。
3つめの焙煎直後の急冷は、味を豆の中に閉じ込めることができるということ。
さらに1つめのポイントで嬉しいのは味だけでなくエコというポイント。
一般的に自家焙煎店で利用されている焙煎機は5kgとか10kgといった大型の窯。
これは大量の珈琲を一気に焙煎できるメリットがある一方で、
売れ残った商品は捨てる必要があるということ。
これは珈琲に限らず、食品を扱う商売であれば多かれ少なかれ止む無し。
しかし、たま蔵の場合は注文いただいてから焙煎するスタイルなので、
捨てる必要がまったくないこと。
あるとすれば、焙煎ミスしたものぐらいか・・・。
ミスした商品にならないものも自分たちで消費するので、捨てることはまずない。
エコは環境に優しいと同時に、商売における収支としても当然プラス効果。
こんなメリットのある、たま蔵。
ここまでだと、すべていいことのようですが、当然ながら課題も。
それは価格が高いこと。国内に5台しかない=高額は市場の原理として止む無し。
さらに、たま蔵を使いこなすために経験を積む時間が必要なこと。
技術的に難しいではなく、様々な経験を積まないと理解できないことが多い。
これはどの焙煎機も同様かもしれませんが、1℃単位で制御できる「たま蔵」は
裏返せば焙煎方法は無限にあるため、迷いだすと最適な答えが見つからない。
焙煎仕事は100点満点なんてないと師匠に言われたことがあるのを思い出す。
いまこうやって焙煎していて、その意味がはっきりと分かる。
100点満点はないけれど、1点でも高く、そして常にある一定以上の点数の商品を
作り出せるようになることが大事だとわかってきて、いまはそれを少しずつだけど
それを楽しめるようになってきた。
たまじの焙煎機、たま蔵について理解いただけたでしょうか
お店にお越しの際には、たま蔵を覗いてやってくださいね。
たま蔵の近くに来てもらってもOKですが、
窯はむちゃくちゃ熱いので、くれぐれも触らないようにお願いしますね。
今週のブログはこのあたりで。
ではでは。