オープン(前日)
いよいよ明日がオープン日。
計画しながら進めてきたはずの準備作業ですが、
いざとなると抜け漏れがぽろぽろ。予想以上に。
珈琲という商品を作り、それをお客さまに販売し、お金を頂戴する。
このプロセスを日本一小さな店舗スペースで効率的に行う。
これだけのことなのに、これが奥深い。そして難解。
湯水のように投資をすればできないことはない。
限られた予算だからこそ、その中でそれを実現するのが難解だし、奥深い。
何より大事なのは、言うまでもなく商品。おいしい珈琲が作れているか。
ところで、”おいしい”とは
何をもって、”おいしい”と判断するのか(できるのか)
人の味覚は百人十色。珈琲の好みも、ひとそれぞれ。
さらに、味に影響を及ぼすものとして、天候・気候。
もっと計算できないのが、珈琲を飲む人の体調と気持ち。
これらが複雑に絡み合って、珈琲を飲んだ感想、一例として、”おいしい”につながる。
オープンを3日後に控えた22日の夜。焙煎の師匠とオープンを祝う晩酌。
出会ってから約1年。あっという間だったような、いろいろあったような。
そんなことを思い出しながら今だから言える話しを思いつくまま語る。
お互い多忙な身、21時過ぎにはお開きにしようと思っていたのに、
時計を見ると23時前。楽しい時間はこんなにもあっという間に過ぎるのかと愕然。
そんな師匠が酔いながら言い放った言葉がこちら。
「お客さまの”おいしい”は信用しない。この人は優しいんだなぁと思うだけ。」
「”おいしい”以外の感想は胃がキリキリするほど気にする。」
「いまだに珈琲の味に自信がもてない。自分の珈琲を”おいしい”と思ってない。」
師匠が自家焙煎店を運営して8年。
振り返れば、この考え方で運営してきたからこそ、味の探求を日々続けることができた。
その結果として今の味があり、お客さまがいると思えるようになったとのこと。
目から鱗が落ちるとはまさにこのこと。
驚くほど多くのお客さまに指示され、日々捌けないほどの注文を受けている
人気店のオーナーから出る言葉がこれかぁと驚きながらも、
ここに味の真髄があることも同時に納得した瞬間。
まったく同じ考えをもって運営するわけではないにせよ、
たまじ珈琲として大事にすべき言葉として心に刻んだ。
泣いても笑っても、残すところ1日。
遠足の前の日のようなワクワク感と、受験の前の日のような不安。
いろいろな気持ちが複雑に絡み合って、地に足がついていない心地。
たまじ珈琲のコンセプトは「ゆっくり・ゆったり」。
こんな時こそ、深く深く鼻呼吸。ヨガで習ったのを思い出して。
考え始めれば、まだまだ準備しなきゃならないことはあるけれど、
今晩はぬるま湯にゆっくり入って、冷蔵庫で冷やしたカルピスウォーターを飲みながら
ただただリラックスすることに。
ケセラセラ
なるようになるさ。ここまでくれば、開き直ってこれしかない。
大型台風の影響で生憎の天気で迎えるオープン日。
将来振り返った時に、忘れられない印象的な日となるだろうなぁと思う。
オープン日がこんな天候になるのも、
焦らずじっくりとスロースタートしなさいという神様の思し召しと解釈。
ここまで書いて読み返してみると・・・脈略がなくて、独り言のような文章。
本日はこんな心境だということで、読者の皆さま、どうかお許しを。
それでは、今週のブログはこのあたりで。
ではでは。