たまじのつらつら記 「ゆっくり・ゆったり」コンセプトとしたたまじブログ。

たまじ、ならでは

秋も深まり、冬の寒さを感じながら店舗にいた土曜日のこと。
前からどんなお店ができるのかしらって楽しみにしてたのよと
ニコニコしながら品のいい叔母様がご来店。
たまじ珈琲はどんな自家焙煎珈琲店か、どんな商品があるかを簡単に説明して、
本日はいかがなされますか?と質問すると・・・
「たまじ、ならではって何かしら?」
という質問。てっきり、ならではの商品って何かしら?と聞かれたと勘違いし、
「最近人気があるのはオーガニックとかカフェインが入っていないデカフェとかですよ。」
と回答したところ、さらにニコニコしながら品のいい返事が返ってきた。
「ごめんなさいね。商品じゃなくて、たまじ珈琲さんが他店と違うところが知りたくて。」
珈琲ブームによって自家焙煎店やカフェが増えてきている昨今、
お客さまからすれば、どう違うのか、特徴があるのかと聞きたくなるのは当然のこと。
ついつい、そんな意識もなく商品説明していた自分が恥ずかしくなる。
勘違いしていたことをお詫びし、分かりやすい言葉で「たまじ、ならでは」を
説明しようとした瞬間、あることに気づいて時間が止まる。
気づいたこととは、店舗の中に、「たまじ、らしさ」を具体的に説明しているものがないこと。
Webやパンフレットのツールには、一生懸命それを伝えたり、まとめたりしたけれど。
来店されたお客様への配慮が足りなかったことに気づく。
その晩のこと。たまこさん、デザイナーとエピソードを共有して、対策を練る。
そもそも店舗に重要な情報が欠落していた点は即合意。
次にどのように対策するかを協議する。
来店されたお客様がベンチに座って、パンフレットとかメニューを見てくれれば、
「たまじ、らしさ」は伝わる。今回の問題点は来店もしくはお店の前に立ち止まった瞬間に
それが伝わるもしくは興味を持ってもらえるようなメッセージを発すること。
もっと具体的に言えば、シンプルかつ大きな文字で「たまじ、らしさ」を書くこと。
さらに具体的にして、それをA3サイズのパウチ看板にすること。
課題~対策~具体的な施策に3人で合意し、数日後にはパウチ看板が完成。
それがこちら。
パウチポスター
多くの自家焙煎店が焙煎した珈琲豆を瓶などにつめて販売している。
5kgとか、10kgとかまとめた量を焙煎する。
たまじ珈琲は、生豆を店舗に置き、お客様から注文を受けてから焙煎する。
大事なのは、ひとりひとりのお客さま用に焙煎していること。
焙煎したばかりの珈琲を「生珈琲」と呼び、新選でフレッシュなものをお渡しできること、
お客さま用に焙煎しているので、焙煎度合いを微妙に調整できること、
これが1つめの「らしさ」。
もう一つは、3分~4分の焙煎という時間を会話などで一緒に楽しんでもらうこと。
店舗にある3人座れば満員の小さなベンチに座って、ハンドドリップした珈琲を飲みながら
御注文いただいた珈琲が焼きあがるのをお待ちいただく。珈琲豆(挽)を購入された
お客さまには漏れなく1杯の珈琲を無料でサービス。
忙しい毎日の中で、たまじ珈琲に来店されたときぐらいは、生豆が焙煎されて珈琲になる
までの数分ぐらいは、ゆっくり・ゆったり過ごしてもらいたいという考えから、
このスタイルをとっている。時間がなくて急いでいる方には不向きなスタイルかもと
想いながらも、珈琲で心身ともにゆったりして欲しいという「らしさ」を伝えるためには
続けていきたいスタイル。
店舗が混み合うと焙煎を待つ方々がベンチに並んで座って、珈琲を飲まれる。
スマートフォンをみたり、置いてある雑誌を捲ったり。それぞれの方々それぞれのスタイルで
ゆっくり・ゆったりされる。中には、珈琲をテーマとしたコミュニケーションがスタートし
自己紹介されてたり。そんな光景をみるたびに、「たまじ、ならでは」はこれでいいんだと思う。
皆さんも、「たまじ、ならでは」を感じに来ませんか?
今週のブログはこのあたりで。
ではでは。

日記 2013.11.30